ニンビンの二大観光スポットである「チャンアン」と「タムコック」。1泊2日で旅行をするなら余裕で両方回れますが、多くの人はハノイから日帰りツアーに参加します。
そして、ツアーではどっちか1つしか行かないので、どちらかを選ばなければなりません。しかし、現地に行ったことがないため、過去にニンビンを訪れた人の写真を見たり、口コミを見て判断することになります。
または、ツアー会社の人に勧められた方を選択する人も多いかもしれませんね。
この2つの写真は、どちらかがチャンアンでどちらかがタムコック。行ったことがある人なら、ひょっとしたらわかるかもしれませんが、正直、行ったことがない人には大きな違いがわかりません。
人によって、チャンアンの方が断然いい!タムコックの方が好きだ!というように意見が分かれるので、結局は個人の好みによるところが大きいです(一般的にはチャンアンの方が人気かも)。
本文が長いので、ここで個人的な結論を書いておくと、ツアーで行くならチャンアン、個人で行くならタムコックがおすすめ。
私は両方行きましたが、両方ともよかったなと思う一方で、両方ともしばらくしたら飽きました。このページでは、基本的に主観を除いて、客観的なデータに基づいてチャンアンとタムコックを比較していきます。
チャンアンとタムコックの特徴まとめ
まずは、チャンアンとタムコックの基本的なデータをご覧ください。
チャンアンの特徴 | タムコックの特徴 | |
値段 | ▸入場料20万ドン | ▸入場料12万ドン ▸ボート代15万ドン |
コース | ▸3つのコースから選択 ▸ラウンドトリップ |
▸コースは1つのみ ▸1本道を往復する |
所要時間 | ▸2時間~3時間 | ▸1時間半~2時間 |
雰囲気 |
▸荘厳な雰囲気 |
▸ローカル感満載 ▸田舎の風景 ▸川幅が狭め ▸奇岩が間近で楽しめる |
洞窟 | ▸3~9個 | ▸3個(往復6個) |
船頭 | ▸基本的に手漕ぎ ▸マナーがいい感じ ▸チップの強要なし |
▸足漕ぎが主流 ▸マナー悪くはない ▸チップ攻撃あり |
アクセス | ▸周りには何もない ▸宿泊エリアが遠い ▸自転車では無理 |
▸周りに観光地多数 ▸ホテルも多い ▸自転車移動もあり |
船定員 | ▸2人~4人 | ▸1人~6人 |
詳細ページ | ベトナムのチャンアンでボートツアー!行き方や適した天気、服装は? | タムコックのボートツアー!ベストシーズンやチャンアンとの比較など |
他にも比較ポイントは色々ありますが、まぁ代表的なところだとこんなものでしょう。
下で、それぞれの優れた点や微妙な点をしっかりと比較していきます。
チャンアンの特徴紹介
- 営業時間:6:00-17:30
- 平均滞在時間:3時間
- 入場料:20万ドン
- 洞窟の数:3~9個
- コースの数:3種類
タムコックと比べると荘厳で洗練された雰囲気を味わえるのが最大の特徴。美しい自然に圧倒されるという面では、タムコックよりも優れています。しかし、周辺に自転車で回れる観光スポットが点在するタムコックと比べると、チャンアン周辺には何もないので、個人で行くよりはツアーで行った方が楽かもしれません。
チャンアンのアピールポイント
- 荘厳な雰囲気が楽しめる
- コースの選択が可能
- キングコングのロケ地がある
- 水がきれい
- ボートを降りて観光できる
- スケールが大きい
チャンアンのウィークポイント
- ツアー時間が長すぎる
- 個人では行きにくい
チャンアンを選ぶ6つの理由
チャンアンがいいと思える代表的なポイントです。
荘厳な雰囲気が楽しめる
チャンアンと言えば、岩山に囲まれた数々のお寺。その中でも、水の上に浮かぶように建っている寺院は非常に神秘的。
水の色や背景の奇岩が相乗効果となり、息を呑むほどの美しさに感動するでしょう。
コースが選択できるのはチャンアン
コースを選択したいのであれば、チャンアン一択。
たくさんの洞窟を回るコースからお寺を回るコースまで様々です。ただし、結局どれが最もいいのかわからず、最終的に現地の人任せになってしまう人も多いと思います。
キングコングのロケ地がある
興味がある人とない人がいると思いますが、チャンアンはハリウッド映画「キングコング 髑髏島の巨神」に登場するロケ地。
私は見ていないので、いい加減なことは言えませんが、恐らくチャンアンを訪れる前にキングコングを見れば、より感動するのではないかと思います。
水の透明度はチャンアンの圧勝
同じ川でも、場所によって色などは結構違うものですが、全体的に見ると水のきれいさはチャンアンに分があります。
透明度が高いですね。水が透き通っており、水中の植物もボートの上からよく見えました。
一方のタムコックの川の色。しかし、透明だからいいというわけでもありません。タムコックの川の茶色は周りの風景とマッチしており、よりベトナムっぽさを演出しています。
陸地に上がってお寺観光がある
タムコックはボートを降りずにひたすら景色を楽しむだけですが、チャンアンツアーはところどころでボートを降りてお寺を巡ります。
選択したコースによって訪れるお寺が若干異なるようです。また、不要な場合はスキップすることも可能。
川の中にあるお寺は、景色に飽きてきたときの気分転換に最適。
川幅が広くスケールがでかい
さすがにハロン湾の奥行きには負けますが、チャンアンはタムコックよりも全体的に川幅が広く、それだけでスケールの大きさを感じられます。
雄大な大自然を感じたいならチャンアン。
幅の広い川を進んでいきます。岩山に囲まれていますが、囲まれているという感じがしないほど広い。まさしく「陸のハロン湾」という感じですね。
タムコックでも見られそうな風景も味わえます。
チャンアンの微妙な点は?
続いてチャンアンが微妙なポイントを紹介。
ツアー時間が長すぎる
ちょっと主観が入ってきますが、個人的にはチャンアンツアーは長いと感じました。3つのコースがあり、一応3つとも3時間となっていますが、私が選んだルート2は2時間半でした。それでも長い。
タムコックは一本道なので、飽きたと思ったら、最悪そのコースを直ちに引き返すことが可能。しかし、チャンアンはラウンドトリップで、大きな範囲を一周する感じのコースになるため、引き返すことはできません。
洞窟を9つもくぐるルート1は長そうですね。
個人では行きにくい
タムコックは池の周りにホテルが密集しているので、個人で行ってもそのホテル周辺に泊まればアクセスは最高。しかしチャンアンは多少頑張らないとたどり着けない場所にあります。
タムコックからは10キロくらい離れているので、タクシーかバイクしかありません。一応自転車の駐車料金も記載されていますし、自転車で来ている白人もいましたが。
なお、ハノイから日帰りで個人旅行をするのであれば、結局バスターミナルや駅からタクシーを使うことになるので、どっちも変わりません。
タムコックの特徴紹介
続いてタムコック。
- 営業時間:7:00 -17:00
- 平均滞在時間:1.5~2時間
- 入場料:27万ドン
- 洞窟の数:3個(往復6個)
- コースの数:1種類
チャンアンと比べると、これぞベトナム!という風景を堪能できるのがタムコック。田舎っぽい想像通りのベトナムの景色を、ボートの上から肌で感じることができるでしょう。また、周辺にはたくさんの観光スポットがあるため、自転車を借りてセットで回ることができるのも大きなアドバンテージとなります。個人で行く場合は。
タムコックのアピールポイント
- ザ・ベトナムの風景が味わえる
- 奇岩を近くで見ることができる
- ハンムアの山頂が見える
- 足漕ぎボートに感動できる
- 周りにも観光スポットが多数ある
- 個人旅行で行きやすい
タムコックのウィークポイント
- 同じ水路を往復するのみ
- ボートから下りて観光しない
タムコックを選ぶ6つの理由
まずは、タムコックがいいと感じるポイントを6つ紹介。
想像通りのベトナムの田舎の風景がある
人によってベトナムのイメージは様々ですが、タムコックは田舎っぽいベトナムのイメージがそのまま当てはまります。
こんな感じの細い川を、ひたすら進んでいくわけです。しかし、ボート上からと俯瞰で見るのとでは、やっぱり感じ方が違うかも。
ハンムアについては、タムコックの絶景を望むHang Mua(ムア洞窟)ニンビンで行くべき観光地を参照ください。
タムコックの岩場がすぐ近くにある風景
チャンアンよりも川幅が狭く、川の両岸に大きな岩山がそびえたつのがタムコックの特徴。
チャンアンと比べると、川幅自体が狭いため、間近で大迫力の自然を感じることができます。
もちろん、チャンアンのような広々とした景色を楽しめる場所もありますよ。
タムコックからはハンムアの頂が見える
上述しましたが、山の上からタムコックの美しい風景が見られるのがHang Mua。もちろん、タムコックからもそのハンムアを見ることができます。
遠いので若干ぶれましたが、山の上にはハンムアのライイングドラゴンの陰がはっきりと見えますね。タムコックとハンムアをセットで行くと、感動がより大きなものになるでしょう。
ニンビン名物の足漕ぎを見るならタムコック
陸のハロン湾ツアーの目玉の1つが、ボートを足でこぐ船頭さん。しかし、チャンアンのボートはマナーがいい分、基本的には手を使ってボートをこぐ人ばかり(当たり前だけど)。
一方のタムコックは、ローカルな雰囲気が強く、船頭さんの多くは足を使ってボートを漕ぎます。
チャンアンでは足漕ぎを見れないかもしれないので、これが見たいならタムコックがおすすめ。
タムコックは周辺の観光地も一緒に回れる
タムコック周辺には、自転車で回れる距離に複数の観光スポットが点在しています。
自転車でも十分に行ける距離だし、その気になれば歩いていくことも可能。チャンアンは車やバイクを使わなければ他の観光スポットに行くのが難しい場所にあるので、色々回りたいならタムコックの方がいいかも。
なお、これらの観光スポットは以下のページでまとめています。
周辺にホテルが多いので宿泊地におすすめ
観光スポットだけでなく、タムコックのボート乗り場の周辺にはたくさんのホテルや安宿が集まっています。そのため、個人旅行でニンビンに宿泊するのであれば、タムコック周辺に泊まり、翌日早朝からボートに乗るのがベストかも。
私は、宿でバイクを借りたので、チャンアンに行くこともできました。
▸宿泊費用が安い
▸ホテルのおばちゃんやおばあちゃんが超アットホーム
▸タムコックのボート乗り場から近い
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タムコックの微妙な点は?
続いて、チャンアンと比べてタムコックが微妙だと感じる点を紹介。
同じ水路を往復するのみ
広範囲をぐるっと一周するチャンアンとは違い、タムコックは一本道を進んで、帰りも同じ道を帰っていきます。つまり、行きも帰りも同じ風景ということになります。
正直、場所が違っても風景は似たようなものなので大差はないかもしれませんが、タムコックの場合は明らかに同じ風景を2回通ることになります。
ボートから下りて観光しない
チャンアンは上陸してお寺巡りをするアクティビティーがある一方で、タムコックは、ただひたすらボートに乗っているだけ。
こんな感じで、小さな橋をくぐったり、ローカルっぽい風景は楽しめますが、全て船の上です。1時間半~2時間くらいずっと座りっぱなしなので、飽きる人もいるかもしれませんね。
チャンアン、タムコックの共通部分
チャンアンとタムコックに共通する部分もあるので、一応それも紹介しておきます。
- ボートと船頭さんがついてくる
- 洞窟がある
- 観光に適した時期は3月、4月、11月
- 観光に適した時間帯は午前中
ボートと船頭の雰囲気は若干違う
ボートクルーズなので、双方ともボートに船頭さんがついてくるのは当然。しかし、チャンアンとタムコックでは、若干その雰囲気が異なります。
チャンアンは何かときちっとしていて、タムコックはダラッとしているイメージ。ボート乗り場を見るだけでも、その差は一目瞭然です。
どっちがいいかは好みによりますが、ボートの乗り心地自体は変わりません。なお、タムコックではチップ攻撃を受けましたが、私はどちらの人にも5万ドンあげました。
洞窟は最低3つは通過する
洞窟はたくさん回った方が得だと考える人もいるかもですが、主観を交えて言えば、3つも回れればそれで十分な気もします。
チャンアンの洞窟に関しては、1つ1つ名前まで付けられていましたが、正直どの洞窟にどんな特徴があるかはわかりません。チャンアンには、洞窟3つのコースもあれば9つのコースもあります。タムコックは洞窟3つの一択ですが、往復するため洞窟をくぐるのは実質6回。
洞窟を抜けると景色がガラリと変わるので、内部をの楽しむというよりも、洞窟を出る瞬間を楽しむのがいいかも。
3月、4月、11月がベストシーズン
まずはニンビンの年間の気温、降水量表をご覧ください。
月 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 21℃ | 14℃ | 20mm |
2月 | 21℃ | 15℃ | 40mm |
3月 | 23℃ | 18℃ | 45mm |
4月 | 28℃ | 21℃ | 70mm |
5月 | 32℃ | 24℃ | 180mm |
6月 | 34℃ | 26℃ | 200mm |
7月 | 33℃ | 26℃ | 260mm |
8月 | 33℃ | 25℃ | 320mm |
9月 | 31℃ | 24℃ | 400mm |
10月 | 29℃ | 22℃ | 160mm |
11月 | 26℃ | 19℃ | 60mm |
12月 | 23℃ | 16℃ | 30mm |
私は最も暑い6月に行ったので、とにかく暑くて大変でした。日焼けもしたし、ボートに乗っているだけで汗ダク。
日傘、もしくは帽子が必要。
逆に、12月~2月にかけては非常に寒いので、寒さ対策が必要になってきます。そう考えると、いい感じの気温で雨も少ない、3月、4月、11月辺りがニンビン観光のベストシーズンと言えます。
午前中は人が少ない
私は、チャンアンもタムコックも午前中に観光しました。最も暑い時期だったというのもあるかもしれませんが、午前中はとにかく人が少ないと思います。ツアーを見ても、昼からや昼以降にスタートするものが多いです。
ツアーに参加する人はどうしようもないですが、個人で行くのであれば午前中に行くのがおすすめ。
暑い時期だと、最も暑い時間帯を避けられるというのもメリットが大きいです。しかし、反対に寒い時期の早朝はめちゃくちゃ寒いと思います。寒さ対策を万全にしていきましょう。
結局チャンアンとタムコックはどっちがいいの?
冒頭で挙げた通り、ハノイからツアーに参加するのであればチャンアン、個人旅行でゆっくりと滞在できるのであればタムコックの方がいいかもしれません。
なお、ツアーの場合はどちらかを選択しなければなりませんが、個人旅行なら、頑張れば日帰りで2カ所を回ることも可能です。6時の電車に乗って9時から観光を始めれば、ニンビンを存分に堪能できるでしょう。
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